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気象予報士が巡る アメダス探訪 ~御殿場・江戸川・横浜~

気象予測をするには、観測が欠かせません。気象観測を自動的に行う「地域気象観測システム 通称:アメダス(AMeDAS)」は国内に約1300か所あるのですが、皆さんはお住まいの地域の最寄りのアメダスがどこにあるか、またどのようなロケーションに設置されているかご存知ですか?
今回の日本気象協会 公式note「Harmonability style」では、アメダス探訪をライフワークにしている気象予報士・真木伸之さん に、その魅力とおすすめのアメダス3か所をお聞きしました。

アメダスにはふたつとして同じ景色がない

アメダスには、それぞれに違う景色があります。アメダス探訪をすることで、普段であればなかなか行くことがないであろう山奥を訪れたり、観光地ではない景色に出会えたりすることが魅力です。

これまでに140か所のアメダスを訪問

私がこれまでに巡ったアメダスはおよそ140か所ほどです。アメダス探訪を本格的に始めたのは2018年に本社(東京都豊島区)に異動してからなので、現時点では関東甲信エリアが圧倒的に多くなっています。四要素※以上では、東京(島しょ除く)、神奈川、千葉、埼玉、群馬、山梨はコンプリートしました。一方、私は宮城県出身なのですが、ホームの東北にはまだまだ訪れたことがないアメダスが多数あります。特に東北北部は数えるほどしか訪れていないので、これから機会を見つけて訪問していきたいと思っています。

※ 全国約1300か所のアメダスでは降水量を観測していますが、さらにこのうち約840か所では、降水量に加えて、風向・風速、気温、湿度も観測しています。これらをまとめて「四要素」と呼んでいます。なお、これに加えて積雪地域の約330か所では積雪の深さも観測しています。

気象庁ホームページ「地域気象観測システム(アメダス)」をもとに作成

記録が生まれる場所を直接見て確かめる

アメダス巡りを始めた経緯ですが…かつての館林のアメダス(2018年6月に移転)などもそうですが、「暑さ処、寒さ処」のように高温、低温が出やすいアメダスが、どんな設置条件になっているのか、周囲の植生や地形はどうなのか、実際にこの目で確認したい、という思いがあります。もっともこれらはネット上の地図などでも確認できますが、最近では休日に車でのドライブがてら、未踏地点のアメダスを訪問することが多いです。もちろん観測地点の安全性に留意し、敷地の外からルールを守って観察しています。

それではお待ちかね!真木さんおすすめのアメダスをご紹介します。

1:御殿場地域気象観測所(静岡県)

御殿場市中央公園の中に設置されています。富士山バックで写真が撮れるアメダスとしては随一です。
写真を撮る際は順光となる午前中がおすすめです。写真は幻の初冠雪となった2021年9月7日に撮影。


2:江戸川臨海地域気象観測所(東京都)

葛西臨海公園の中、水族園の近くに設置されています。岸から数十メートル、周囲の植生も十分、目立った障害物もありません。観測環境は良好で見本のようなアメダスです。2020年9月8日に撮影。


3:横浜地方気象台(神奈川県)

港の見える丘公園の近くにある横浜地方気象台の敷地内に、横浜のアメダスがあります。横浜地方気象台の庁舎は関東大震災後の1927(昭和2)年竣工の歴史的建造物で、趣のある姿が一帯の景色によくなじんでいます。 現在、気象台の業務そのものは、主に北側に新たに建てられた第二庁舎で行われています。露場(ろじょう:周囲の人工物の影響を受けずに気象観測を行うために整備した屋外の場所)は広々としていて、周囲に梅やイチョウなどの標本木(気象庁が行っている生物季節観測で、開花日などを観測するために定められた草木)が植えられています。2022年1月18日に撮影。

「アメダス」の仕組みなど、詳しくはtenki.jpで解説していますのでこちらもぜひご覧ください。

今後も日本気象協会の「気象のプロフェッショナル」ならではの視点で、気象や自然にまつわるさまざまなエピソードをお届けしていきます。社内の皆さんからは、こんな企画を読んでみたい!というリクエストもお待ちしています。今後も日本気象協会 公式note「Harmonability style」をどうぞお楽しみに!

日本気象協会について詳しくはこちら
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