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どうやって予測しているの?日本気象協会「2023年 花粉の飛散予測」 

こんにちは!日本気象協会 公式note「Harmonability style」編集チームです。
 
一年のなかで一番寒さが厳しい時期ですが、季節は確実に春に向けて歩みを進めています。
春…そうです、花粉の季節がやってくるのです(泣)
今回は日本気象協会が発表する「花粉の飛散予測」についてご紹介したいと思います。
なお、日本気象協会の花粉の飛散予測は北海道はシラカバ、沖縄県を除くその他の地域はスギとヒノキを対象としています(沖縄県はスギの木、ヒノキの木が少ないため対象外です)。

2023年 いつから、どれくらい飛ぶ?

まずはこのnoteの投稿時点での、最新の「花粉の飛散予測」のポイントをご紹介します(2023年1月19日発表)。

・飛散開始は例年並み。九州から関東で2月上旬からスタート
・スギ花粉のピークは例年並みで、3月上旬からピーク入りする地点が多い
・飛散量は九州~東北で前シーズンより多く、特に四国・近畿・東海・関東甲信で非常に多い予想

全国各地の最新の花粉飛散予測は、日本気象協会の天気予報専門メディア「tenki.jp」からご確認いただけます。

「飛散開始」って誰がどう決めているの?

日本気象協会では、いつから花粉が飛び始めるのか、つまり「飛散開始日」を予測しています。そして予測するからには、実際に飛散開始した日も確認しています。
では、どうやって確認しているのでしょうか?
もちろん、担当者の鼻がセンサーとなりムズムズし始めた日ではありません。ちゃんとした定義があります。

定義:飛散開始日とは・・・
1平方センチメートルあたり1個以上の花粉を2日連続して観測した場合の最初の日

???

となる方が多いと思います。もう少し詳しく解説します。

日本気象協会では花粉を「ダーラム法」という方法で観測しています。
これはワセリンを塗ったスライドガラスを屋外に1日置き、付着した花粉の個数を顕微鏡を使って数える方法です。実際に人間の目で「スギの花粉」「ヒノキの花粉」「その他の植物の花粉」「ゴミや塵」を区別して記録しているので、花粉をカウントする担当者は大変ですが…精度がとても高い観測方法なんです。
花粉の個数は、1平方センチメートルあたりの個数を記録します。

1.ワセリンを塗ったスライドガラスを設置
2.染色液を垂らしてカバーガラスを装着
3.顕微鏡で花粉をカウント
4. 1平方センチメートルあたりの個数を記録

「ダーラム法」で観測したスギ花粉が上記のような観測結果だと、飛散開始日は【2月15日】ということになります。

予測の仕方は?

日本気象協会では30年以上前、1990年からスギ花粉の飛散予測を発表しています。日本気象協会の花粉飛散予測は前シーズンの花粉飛散結果や今後の気温予測などの気象データをもとに、全国各地の花粉研究会や協力機関からの情報、花芽の現地調査の結果などをふまえて予測しています。
(詳しい計算方法などは企業秘密です…すみません!)

花芽の現地調査 
※スギ林の管理者に許可をもらって採取しています

毎年春になると気になる「花粉情報」。日本気象協会の花粉の予測&観測のプロフェッショナルの地道な努力や知見を盛り込んで、発表しています。

気象データで皆さんの生活を少しでも快適にしていきたい、花粉症でつらい経験をしている皆さんのお役に立ちたい…そんな気持ちを胸に、日本気象協会は「花粉情報」をお伝えしています。天気予報をチェックするのと同じように、これからの季節は「花粉情報」もぜひこまめに確認し、少しでも役立てていただけたらうれしいです。

日本気象協会 公式note「Harmonability style」では、今後も日頃目にする天気予報や季節の情報などの、開発秘話をお伝えしていきます。

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