【プロフェッショナルパートナーの素顔】興味本位で飛び込んだ気象の世界は「奥が深い」
日本気象協会を支える気象・環境・防災のプロフェッショナルを紹介する「プロフェッショナルパートナーの素顔」。今回は、日本気象協会のコア技術ともいえる、気象予測の精度向上に取り組む入社3年目のプロフェッショナルパートナーが語ります。
海より山派な湘南育ち
出身地は神奈川県藤沢市です。藤沢は江の島が有名ですが、海からは遠い場所で育ちました。趣味で学生時代からオリエンテーリングというスポーツをしています。森の中に設置されたポイントを回り、タイムを競うレースで道のないところもガンガン走ります。地図を読みながら走るのですが、この「ながら」が大切で、自分の現在地を把握しながら走るというトレードオフが「ナビゲーション」スポーツの一つの醍醐味です。ただ最近は、自分が走るよりもオリエンテーリングの大会の運営ばかりをしていて、仕事後もファミレスで仲間と作業をしたりミーティングしたり…といった生活をしています。
日本気象協会の気象予測を支える
入社以来、技術戦略室で日本気象協会の天気予報(数値計算)の精度向上を担当するチームに所属しています。精度向上の手法を検討し、その検討内容を基に実際にコーディングを行い、システムに実装しています。研究開発の部署と言うのがわかりやすいでしょうか。また最近は、部署横断の交流企画である社内ラジオ「テーマトーク」でメインパーソナリティ(司会)を務めるという新たな役割にも挑戦しています。
気象データは4次元…視点を変えて分析することを勉強中
技術戦略室の仕事でやりがいを感じるのは、やはり気象予測の改善ができたときです。天気予報の精度が向上し、防災、エネルギーマネジメントなどの現場やあらゆるビジネスの場面で、気象予測の活用の幅が広がれば嬉しいです。
計算結果は目に見えないので、どのように可視化するかが重要だと考えています。空間と時間で既に3次元あり、これに「予測の過去から現在まで変化」の次元を追加すれば4次元になってしまいますので、結果を「切り取って」見ることになります。時に俯瞰してみたり、個別の事象をみたり、解像度を上げたり下げたり、合理的に視点を変えていくことが大事だなと感じていますが、まだまだ勉強中です。
学生時代は土木工学を専攻し実験に没頭
学生時代は学部・修士ともに社会基盤学(土木工学)を専攻していました。卒論・修論では、コンクリートやセメント改良土の劣化機構などの研究を行っていました。条件を変えて実際に試験体を作成し、推定した化学組成と強度の関係を調べるといったような、実験メインの研究を行っていました。今、業務ではプログラミングや計算を行っているので、学生時代は全然違うことをしていました。学生時代の実験は、自分で手足を動かす時間が多かったですが、今はプログラムを組んだあとは、寝ている間にコンピュータの計算がどんどん進んで朝に結果が出ているので、驚きと新鮮さを感じます。
学生時代とは異なる専攻分野でも役立つことがたくさんある
日本気象協会での仕事は、学生時代とは専攻分野も異なりますし、全然違う世界に来たんだなぁと感じました。ただ、役に立っているなと思うこともたくさんあります。例えば、欲しい結果から逆算して、実験の計画を立て条件を決め、結果を整理し考察するといったプロセスは今も役に立っています。また、研究発表などを通じて学んだ資料のまとめ方もとても役に立っていると感じます。ご指導くださった大学の先生方にとても感謝しています。
「面白いことができる」と「社会の役に立つ」のバランスが一番よかったのが日本気象協会
土木工学を専攻していた私が日本気象協会と出会ったきっかけですが…就活時は、自分の専攻を活かし、インフラや防災に関わる仕事がしたい、と漠然と考えていました。その中で、たまたま参加した大学の学科主催の企業説明会で、「おもしろそう!」と一番興味を抱いたのが日本気象協会でした。自分の中で「自分にとって面白いことができる」と「公共的に社会の役に立つ」のバランスが一番よかったことが決め手でした。
熱中してやってきたことは環境が変わっても役に立つ
気象の仕事に興味を持っている皆さんへのメッセージとして、とても一般的なことではありますが、今ご自身が熱中できることにどっぷり熱中してほしい、ということをお伝えしたいです。コロナのせいで活動に制限が多い、難しい学生生活を送られている方も多いかと思いますが、熱中してやってきたことは環境が変わっても役に立ちます。うまく社会の目をすり抜けて、やりたいことに熱中してもらえればと思っています。
仕事熱心でまじめで優しい仲間たちと共に 予測の改善を継続していく
日本気象協会の職員は「仕事熱心で、まじめで優しい」という印象です。ありきたりな答えかもしれませんが、日本気象協会の人と関わったことがある多くの人が、そう答えるのではないでしょうか。先輩や上司の方だけでなく、同僚や後輩についても同様に感じます。
「おもしろそう!」と半分興味本位で飛び込んだ気象業界ですが、その直感は正しく、奥深い気象の世界で日々やりがいを感じながら過ごしています。自分の勉強不足を痛感することも多く、チームの皆さんに支えられています。これからも予測の改善を続けていきますので、どこかで「日本気象協会の予報、最近よく当たっているな」と感じていただければ、私たちのチームとしてこれ以上嬉しいことはありません。