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【動画あり】あなたは知ってる?「177」…古くて新しい?耳で聞く天気予報

こんにちは!日本気象協会 公式note「Harmonability style」編集チームです。
 
警察への緊急連絡は110番、消防車や救急車を呼びたいときは119番。この2つの電話番号は、多くのnote読者の皆さまがご存じだと思います。
では、177番に電話をすると、何が起こるかご存知でしょうか?
 
答えは…177では、私たち日本気象協会が大いに関係する「天気予報が聞ける」のです!
 
正直に言うと、私(30代)は日本気象協会に入社するまでこのサービスを知りませんでした。恐らく30代で知っている人は少数、20代、10代だとほとんどの方が知らないのではないでしょうか…。また他の世代の方でも、177という電話番号を知っていても、電話をかけたことはない、という方もいるかもしれません。
 
*ちなみにダイヤル117番は「時報のサービス」です。数字が似ているので、天気予報は「イイテンキニ(1)ナレ(7)ナレ(7)」覚えるといいそうです!

177は「天気予報電話サービス」

177は正確には「天気予報電話サービス」というもので、各地域の天気予報を聞くことができる3桁番号サービスです。インターネットが普及する前は、出先で天気予報を確認したいときやテレビやラジオで天気予報をやっていない時間帯など、さまざまな場面で活用されてきました。
現在もインターネットの繋がりにくい場所や、高齢者・視覚障がいをお持ちの方など、177を活用してくださっている方が多くいらっしゃいます。

音声メディアが注目を集める昨今ですが、177は70年近い歴史のある音声メディアと呼べるかもしれません。「古くて新しい」…177はそんな存在です(177で配信されている天気予報は最新情報ですので、ご安心ください)。
 
今回は、サービスが始まった1955年(※1)から現在に至るまで177「天気予報電話サービス」に気象情報を提供している日本気象協会が、昔と今の177についてご紹介します。
記事を読んだ後はぜひ177に電話をかけて、耳で聞く天気予報を体験していただけたら嬉しいです!(※2)
 
※1 試行サービスは1954年から
※2 177の利用には通話料がかかります

177が誕生したきっかけ

1955年よりも昔、177天気予報電話サービスが始まる前の時代は、天気予報を知りたい人は各地方気象台に電話をかけて担当者に教えてもらって(!)いました。当時は今と違って天気を知る手段が限られていたため、一般の方の問い合せ電話が気象台の電話に多数寄せられることがあり、その対応方法のひとつとして177が始まりました。

1955年~1997年 日本気象協会の担当者が音声を吹き込む


177を吹き込んでいる様子
日本気象協会25年史より 撮影日:不明(1976年4月以前)

サービスが開始されてから、1997年までは実際に日本気象協会の担当者が音声を吹き込んでいました(※3)。

※3 一部地域では日本気象協会が原稿を作成し、NTT側で吹き込みをしていました。

当時のことについて日本気象協会で働く、吹き込み経験者のベテランメンバーに話を聞きました。

Q. どのような流れで吹き込んでいたのでしょうか?
(吉竹)私が福岡で担当していた頃は、気象台が出す予報をベースに概況文や予報をA4の紙に手書きで書き、気象台の予報官のチェックを受けていました。当時は気象予報士制度もなかったので、予報官が承認した内容でないと公には出せないためです。これが午前5時半過ぎ。内容が問題なければ予報官のサインをもらい、録音するといった流れでした。
 
録音開始は大体、午前5時40分頃。
当時、福岡管区気象台の一部屋を日本気象協会で間借りしていました。その部屋の片隅に畳半畳ほどの録音室があり、そこには2台の黒電話が設置されていました。1台は録音専用、もう1台はNTT(当時の電電公社)と連絡を取るためのものです。録音開始時はNTTに電話をかけ「今から福岡地方の天気予報を吹き込みます」「分かりました、お願いします。(録音スイッチを押す)どうぞ~」と始まり、録音専用の電話に吹き込みます。
録音時間は3分。これは10円で聞ける長さでした。録音が終わると録音室に設置されている鉄琴を吹き込み担当者自ら「ピンポンパンポ~ン♪」とチャイムを鳴らしていました。
 
録音が終わるとNTTの担当者が「では聞いてください」と録音した音声を流してくれました。確認してOKであれば録音終了ですが、途中で間違っていたり、噛んでいたりしたらやり直しです。
新人の頃は何度も録音し直していました…。
 
当時は気象庁が予報を出していたのが6時、9時、12時、18時、21時の5回だったため、177の吹き込みも1日5回やっていました。
注意報・警報が出た時や台風が接近している時は随時吹き込みを行うため、24時間365日対応できる体制でいましたね。177は防災の重要な情報源として位置づけられていたのでより真剣に取り組んでいました。
 
(猪股)私が北海道で担当していた頃は、電話機ではなく専用の吹き込み機を使っていました。
50㎝×40㎝程のおおきな電卓のような形をしていて、支庁ごとにボタンや録音レベル調整のダイヤルが付いているものです。1992年頃はそのような感じで、1995年頃の後継機がそれにチャイム(ピンポンパンポーン)のボタンが加わり、鉄琴を叩くことはなくなりました。
 
Q. どのような人が担当していたのでしょうか?
(吉竹)福岡では主に日本気象協会に入社した新人が担当していました。
 
(猪股)当時の北海道では、日中はアルバイトの方、夜間は日本気象協会の新人に限らず、全現業(※4)職員が当番で回して担当していました。
 
※4 日本気象協会の「現業」は、24時間365日の体制で気象予報やお客さまのサポートをする部門を指します。
 
Q. 吹き込み業務に関するエピソードあったら教えてください!
(猪股)北海道は当時16の支庁に分かれており、これを2人で分けて吹き込み作業していました。
担当する8つをノーミスで終えても、20分以上はかかっていました。
 
冒頭のピンポンパンポーンは、4本仕様の鉄琴が置いてあり、自分で叩いていたのですが、若かった私は、叩く順番を変え、アメリカ国歌の出だしにしたこともありました。笑
 
(吉竹)地方の177の吹き込みは地元の協会職員が録音するため、方言やなまりがあって、それなりに特徴がありました。東京などに就職した方が、地方の177に電話して(方言やなまりを聞くことで)故郷を懐かしんでいたという話なども聞きました。
 
補足・・・サービス開始当初から現在も177の前に市外局番をダイヤルすると、現在地ではない他の地域の天気予報も聞くことができるそうですよ
 
Q. 当時の吹き込みを再現してもらいました


1998年から現在の177サービスについては、今後の記事でご紹介しますので、お楽しみに!
 
日本気象協会 公式note「Harmonability style」では、今後も日頃目にする天気予報や季節の情報などの開発秘話や、ここだけの話をお伝えしていきます。

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