「日本気象協会あるある」を紹介します
こんにちは!日本気象協会 公式note「Harmonability style」編集チームです。
皆さんは「気象コンサルティング企業」と聞いて、どんなイメージが思い浮かびますか?今回のnoteでは、創立72年を迎えた気象コンサルティング企業、日本気象協会の「あるある」をご紹介します。イメージ通りのものからマニアックなものまで…日本気象協会の雰囲気が少しでも伝われば嬉しいです。
とにかく窓の外や空をよく見ている
ダントツで多かった「あるある」はこちら。ベテランから若手まで、オフィスでは誰かしらが窓の外を見ています。「誰かが窓の外を見ていると、みんな窓に集まり始める」「夕方はだいたい誰かが窓から夕焼けを見ている」「オフィスの窓からめずらしい形の雲や虹が見えると、フロア全体で撮影会になる」といった声がありました。
ちなみに、窓の外を見ているからといって仕事をサボっているわけではありません(汗)「観天望気」という言葉があるように、空を眺めて様子を知ることも大切な仕事のひとつなのです。
日本気象協会の本社は、東京・池袋の「サンシャイン60」の55階にあり、地上200メートルを超える位置から絶景を眺めることができるのが自慢のひとつです。空の観察をするのに最適な場所から、毎日情報をお届けしています。
また、日本気象協会は全国各地に拠点があるのですが、先日は福岡市にある九州支社のオフィスから、きれいに波打っているような形の雲を見ることができました。この雲には「ケルビン・ヘルムホルツ不安定性の雲」というユニークな名前がついています。タイムラプスで撮影した動画からは、雲のなかに新たな波が現れたり、それぞれの波がゆっくりと西から東へ移動したりして、形を少しずつ変える様子が分かります。
2022年12月3日 福岡県福岡市にある日本気象協会 九州支社から松井渉気象予報士が撮影した「ケルビン・ヘルムホルツ不安定性の雲」(タイムラプスで撮影)
このように、オフィスでは窓の外をよく見ている日本気象協会ですが、屋外でももちろん空を見上げ、雲の様子や流れ方を確認するほか、気温や風向風速もチェックしています。観測時は観測機器を使いますが、たとえば外出での移動時には五感をフル活用。「雲の色から雲の高さを予想する」「晴れたり雨が降ったりの天気の時には、太陽に背を向けて虹が出てないか探してしまう」「太陽の位置で方角を確認する」という「あるある」の声もありました。
空や季節の写真が社内チャットを飛び交う
これも気象会社ならではの「あるある」。社内チャットに、全国の職員から届いためずらしい気象現象の写真、天体ショー、地域の風物詩、花や動植物などの季節を感じる写真がたくさん集まります。ひとつめのあるある「窓の外をよく見ている」で撮影した写真も全社でシェアしています。
日本気象協会の各地の拠点には、その地域ならではの気象特性に詳しい「気象のプロフェッショナル」がいます。気象のプロの解説付きで届く写真からは、気象や季節の変化を知ることができます。全国から集まった写真は、天気予報専門メディア「tenki.jp」の気象予報士の解説記事で紹介したり、テレビ局の気象コーナーへ情報提供するなどして、皆さんへお届けしています。天気や季節の感動を共有したい! そんな使命感にあふれているのも「日本気象協会あるある」です。
過去にあった印象的な気象の出来事を覚えている
だんだんとマニアックな「あるある」になってきました。〇年はエルニーニョの年だった、この台風のコースは〇年の台風〇号に似ている、この地点での最低気温の歴代記録は〇℃…など、過去の気象データが頭に入っている人が多いのも「日本気象協会あるある」です。
天気予報は過去の膨大な気象データをもとに統計解析を行い、未来を予測するものです。これまでにどのような気象現象が起こったのかは、この先の傾向を把握するのに役立つ重要な情報なので、自然と覚えてしまう人が多いのかもしれません。え!そんな記録まで覚えているの…!と驚くこともしばしば。もちろん、詳細な数字や最新情報はデータベースで確認することも欠かしません。
観測史上初などの記録が出たときは、「tenki.jp」で速報としてお知らせしていますので、こちらもチェックしてみてください。
「天気図」や「衛星画像」で議論が白熱する
今回のなかで、一番マニアックな「あるある」かもしれません…。日本気象協会では、その日に発表する天気予報の方針を決める「会報(かいほう)」というミーティングを毎日行っています。気象予報士それぞれが異なる予報をするのではなく、皆の見解や気になることを話し合い、会社として発表する予報の方向性を絞ることで情報の精度を高めているのです。
会報では、さまざまな資料を参考に話し合いを行います。複数の数値予報モデル(スーパーコンピューターで計算した未来の大気の状態のシミュレーション)、天気図(天気図には、実況天気図や高層天気図などたくさんの種類があります)、衛星画像など多様な気象データをもとに予報を作っていきますが、この気象データを見たときに議論が白熱するのが、ちょっとマニアックな「日本気象協会あるある」です。
例えば天気図を見たときに、季節外れに夏の高気圧が強いなど、その時期にしてはめずらしい状況が予想されるときには、なぜそうなるのか、どんな背景があるのかを分析しミーティングで話し合います。また少し先のデータで極端な現象が起こりそうなど、気になる兆候がみられるときにも議論が熱を帯びます。
気象データにまつわる「あるある」では、衛星画像を見たときに「カルマン渦」などの特徴的な現象を探してしまう、といった声もありました。
天気予報をもとに行動を決める
「天気予報をもとにリモートワークする日を決めている」「雨に降られないように、雨雲レーダーを確認して移動時間を決めている」など、行動計画を立てる際に、気象情報を重要な要素として組み込んでいる人が多いのも「日本気象協会あるある」です。天気によって旅行の行き先やプランを変更したり、旅行の日程自体を変更する、といった人もいました。気象データを活用して、自分や周囲の生活を最適化する「気象コンサルティング」を実践している人が多い、とも言えるのかもしれません。
私たちは気象コンサルティングを通して「気象情報を活用して、安全・安心・快適な毎日」をお届けすることを目指しています。天気を変えることはできませんが、気象情報から未来を知ることで、天気とうまく向き合い生活する工夫ができる、と日本気象協会は考えています。日々の生活はもちろんのこと、防災・減災の視点でも、天気予報をもとに行動を決めるのはとても大切です。日本気象協会 公式noteでは、気象情報を生活に役立てるためのヒントを、今後もnote読者の皆さんへお伝えしていきたいと思っています。
おまけ:他にもさまざまな「日本気象協会あるある」
このほかにも「梅雨明けの瞬間に社内が盛り上がる」「スマホに天気関連のアプリやショートカットがたくさんある」「家族や友人からよく天気を聞かれる」「テレビやラジオに出演している(また過去に出演していた)人が社内にたくさんいる」「偶然居合わせた一般の人の何気ない天気の会話が気になって、『それは…』と思わず解説したくなる」「川を流れる水の量を観測していたので、川を見るとつい、この川幅・水深・流れの速さなら、流量は何トンくらいだな…など予想してしまう」など、さまざまな(一部マニアックな?)「あるある」がありました。
今後も日本気象協会について知っていただけるような、さまざまな話題をお届けしていきます。日本気象協会 公式note「Harmonability style」をどうぞお楽しみに!