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インターンシップを経て日本気象協会に入社した話
日本気象協会は、気象・環境・防災・情報サービスを通じて「安全・安心・快適な社会づくり」を目指す気象コンサルティング会社です。社名から「天気予報の会社」というイメージを持たれることが多いのですが、実は天気予報に関する仕事のほかにも、エネルギーや環境分野、防災などの専門家として、あらゆるお客さまのビジネスにおける意思決定を支援しています。
2025年に創立75周年を迎える日本気象協会ですが、ベテランのみならず、若手メンバーも多数活躍していて、ここ数年での新卒入社組には、インターンシップを経験して入社したメンバーが毎年複数名います。そこで今回の日本気象協会「Harmonability style」では、2022年度にインターンシップを経験し、2024年に日本気象協会に入社した福田 真由さんと小田 知紀さんにお話を伺いました。
「日本気象協会のインターンシップってどんなことをするの?」「インターンシップに参加する前と後で、日本気象協会に対する印象は変わった?」など、気になるあれこれをお聞きしました。前編・後編の2回に分けてお届けします。
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【写真 左】福田 真由(ふくだ まゆ)
日本気象協会 本社 社会・防災事業部
交通ソリューション課で「航空」や「鉄道」に関する業務に従事し、交通インフラ企業を支援。社会・防災事業部のビジネスを知ってもらうことを目的としたインスタグラムの運用も担当。
【写真 右】小田 知紀(おだ ともき)
日本気象協会 本社 情報サービス部
日本気象協会が運用する情報システムの開発・保守などのITを担う部門で、お客さまのニーズに応じた気象情報を提供するウェブサービスに携わっている。プラットフォームやコンテンツの改修などを担当。
Q. 学生時代はどのような分野を専攻していましたか?
福田 農業土木学を専攻していました。研究は「熱帯泥炭地における二酸化炭素排出量の評価」で、土壌の有機物が微生物によって分解され、そこで排出されるCO2の測定と、その排出量を減らすための農地の管理方法について検討しました。対象地がインドネシアだったので、約1か月現地に行き、農地で観測や、現地の大学に滞在して実験をすることもありました。炎天下での観測は大変でしたが、今となってはいい思い出です。
小田 運河や水田環境が有する洪水涵養(かんよう)機能について、タイ・バンコクを対象に研究していました。急速な都市化によって失われつつあるタイ特有の運河と水田の接続環境が生み出す洪水時の流下・貯留機能に加え、平常時にも文化的景観やアグリツーリズムとして機能する可能性を評価し、これらの環境における保全・活用の重要性を提言する、という内容でした。
偶然にも、東南アジアを対象とした防災や環境分野の研究を行っていた福田さんと小田さん。では、日本気象協会のインターンシップではどのような仕事体験をしたのでしょうか。
Q. 日本気象協会のインターンシップではどのようなプログラムを体験しましたか?
福田 インターンシップでは、社会・防災事業部 防災マネジメント課での仕事を体験しました。現在所属している事業部の、別の課です。インターンシップの期間は約2か月で、主な業務内容は「雪による車両滞留の影響評価」でした。過去の車両滞留事例と当時の気象データを照らし合わせて、車両滞留発生の要因分析を行いました。
インターンシップの形式については…私は全日出社しましたが、オンラインを併用している方もいました。また期間中、大学のゼミに出なければならない日があったため、事前に相談してインターンシップをお休みさせていただいたこともありました。
小田 私も福田さんと同じ社会・防災事業部 防災マネジメント課で、約1か月の間インターンシップを体験しました。主な内容としては、公共事業者の予報地点の選定や、スリランカの気象に関するプロジェクト、荒天時の予測の振り返りなどを行いました。予測精度の振り返りでは、予報値と実況値を用いてデータ分析を行い、提供したデータの精度検証を実施しました。
私もすべて出社で、研究室等の都合で参加が難しい場合には日程を調整してもらいました。柔軟に相談に乗っていただけたので、学業との両立もスムーズでした。
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Q. 日本気象協会のインターンシップで、特に印象に残っていることは?
福田 Python(パイソン:プログラミング言語)を使ってデータ処理を行ったことです。気象データは量が膨大なので、データ処理を行うのであればプログラムを使わないと日が暮れてしまいます。「こんなにデータ量が多いんだ!」ということ自体が、新たな気づきでした。当時はプログラミングの基本のキも知らない状態で、まずはPython研修で学ぶことから始まりました。私の研究ではほとんどプログラミングを使う機会がなかったので、重要な経験だったと思います。入社してからもこの経験が役立っています。
小田 海外での事業に関わることができないかを相談したところ、スリランカでのプロジェクトに携わる機会をインターンシップ中に作っていただけたことです。気象分野での国際協力の在り方や途上国の気象情報における問題点などを実際の仕事から幅広く学ぶことができ、海外分野に興味を持っていた自分にとってありがたい経験となりました。また、国内行政に関する事業では、データ分析や提案書作成等の一連の流れを知ることもできました。
興味のある分野を深堀りすることも、これまでに経験したことのない内容への新たなチャレンジも、日本気象協会のインターンシップではどちらも体験することができます。
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Q. インターンシップに参加する前と参加した後で、自分のキャリア観や日本気象協会に対するイメージは変わりましたか?
福田 気象に関する仕事は「天気予報だけではない」という、仕事の幅の広さを知りました。また、気象は日常のさまざまな部分に関わるので、データの組み合わせ方次第で何でもできるということを学びました。何でもできる会社ってなかなかない気がしたので、日本気象協会の仕事は魅力的だなぁと感じました。
小田 インターンシップに参加する前は、気象情報は「メディアを通じて無償で提供されるもの」という印象を強く持っていました。インターンシップに参加してからは、行政や企業などの多様なステークホルダーが「気象情報を用いてさまざまな意思決定を行い、そしてその意思決定が身の回りの日常生活に深く関与している」ということに気づき、ひとことに「気象」と言っても幅広い携わり方があるということに気づきました。
インターンシップ体験で気象に関する仕事への理解を深め、日本気象協会に入社した福田さんと小田さん。後編では、日本気象協会に入社してからの印象の変化や、なぜ気象に関する仕事を選んだのか、などをお聞きしていきます。次回もお楽しみに!
※インターンシップの内容は実施当時のものです、開催年によって内容が変更となる可能性があります
※インターンシップへの参加は、採用選考に必須ではありません
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