視覚に頼らない気象情報 ~分かりやすく、天気予報を伝えるには~
みなさんこんにちは!日本気象協会 公式note「Harmonability style」編集チームです。今回のnoteでは前回に引き続き、日本気象協会 関西支社が週刊の点字新聞「点字毎日」から取材を受けた様子をご紹介します!
ラジオでの気象状況提供とは
目の不自由な方が天気予報を確認する方法として、ラジオは身近なメディアです。日本気象協会ではラジオ局との契約を通じて、気象情報の提供と気象状況の解説を行っています。
点字毎日の佐木記者には関西支社に常設しているラジオブースに入室し実際のラジオブースの広さを体験していただくとともに、どのような資料をもとに天気の解説をしているのかを、実際の資料を手にとって確認していただきました。
メディア向けに気象解説をする際の資料は、紙ベースのものが今でも多くあり、中には赤鉛筆やラインマーカーで色分けして説明しやすく加工した資料も多く存在しています。
全盲の佐木記者はラインマーカーで色分けした微妙な凹凸を持つ解説資料を触りながら、そこに記載されている等圧線を指先の感覚だけで識別していきます!これには関西支社内の職員たちからも「すごい!」と感嘆の声がわき上がりました。
日本気象協会では大きな文字でシンプルな気象情報を提供するサイト「大きい字の天気予報」を運営しています(旧名「視覚障害者向け気象情報」)。読み上げソフトでの利用や防災用リンク先などに幅広く活用いただいています。
また、天気予報電話サービスの「177」も、目の不自由な方やご高齢の方にご活用いただいている気象情報のひとつです。177については、過去のnote記事でもご紹介しています。
気象キャスターへのインタビュー「なぜ、気象キャスターに?」
取材日のオフィスには、NHK大津放送局にて気象コーナーを担当している石井元樹気象予報士がたまたま出社していました。予定には無かったのですがここで急遽、石井気象予報士へのインタビューとなりました。
石井気象予報士は前職が「学校の先生」という異色のキャリアを持つ予報士。「分かりやすく、より多くの方へ伝えたい」という気持ちが強くなり、気象予報士の資格を取得して日本気象協会へ転職。テレビの気象コーナーを中心に地域密着の役立つ気象情報を視聴者に提供しています。
佐木記者からは「分かりやすく天気情報を伝えていくための工夫」など、石井気象予報士ならではのノウハウを丁寧に取材いただきました。石井気象予報士はとにかく明るくハキハキとしていて、終始和やかなインタビューとなりました。
■佐木理人記者の来訪を受けて
取材依頼をいただいて以降、取材のイメージをしていました。今まで、メディアなどに情報提供をするメディア・コンシューマ事業課の「ユニバーサルデザイン」の話を聞いたり、災害時にどうするのかといった議論はあったりしたものの、自分自身、そういえば、あまり関わってこなかった話だなと…。
まずは、天気予報をつくる現業の見学をイメージトレーニング!
見学は普段、視覚情報に頼って(& 私の軽妙なジョークを交えることで済んで)いましたが、今回はほとんどを話術で伝える必要があり…どうなることかと思いましたが、当日は幾人かのフォーメーションでトークボリューム増し増しとなり、なんとか職場情報や雰囲気をお伝えできたのではないかと思っています!
取材ということで、伝える側でしたが、今回、逆に教えていただいたこととして、意外と職場の通路が狭かったりするなど、施設面への配慮が欠けていること、また話し方についても、普段、伝わる話し方をしているだろうかと、少し見え方を変えるだけでも、新たな発展がありました!
点字新聞という媒体で、職場がどのように表現されているのか、トークのこともあり、とぉくと味わいたいと思います。
佐木記者による取材の様子は、2月20日発行の点字毎日紙面に掲載されました。今回の取材を通じて、私たちは佐木記者からさまざまなことを教えていただき、新たな気づきを得ることができました。このnote記事が、読者の皆さまにとって「情報のバリアフリー」や「ユニバーサルデザイン」「ダイバーシティ&インクルージョン」といった観点で、気象情報について考えるきっかけになれば幸いです。