2024年5月10日は日本気象協会の74年目の創立記念日
日本気象協会は2024年5月10日に創立74周年を迎えました。いつも私たちのことを応援してくれる皆さんあっての74年です、本当にありがとうございます!
昨年2023年5月10日のnoteでは、日本気象協会のなが~い歴史のほんの一部をご紹介しました。今回のnoteでは、日本気象協会のなが~い歴史のなかから、note編集チームが気になった出来事をピックアップしてご紹介します。
日本気象協会のざっくり歴史は、こちらの記事をチェック
参考にしたのは「25年史」と「50年史」
今回、日本気象協会のなが~い歴史を知るための参考文献として、社内に保管されている「社史」を活用しました。25年史、50年史ともに歴史を感じる佇まい…どちらも創立当時からの情報がまとめられている、日本気象協会の歴史を知る上で欠かせない資料です。以前のnote記事でご紹介した「ウェザーキャスタープロファイル」同様、全国の支社・支店の倉庫にも一冊はあるかもしれませんので、大掃除や資料探しで見かけた際には「あ、これが噂の…」と目を止めていただければと思います。
「ウェザーキャスタープロファイルって何?」と思われた方は、こちらの記事もチェック
なにせ74年分の歴史があるので…今回はnote編集チームの独断と偏見で「気になる!」と思った歴史をピックアップしてご紹介します。
1955年 気象業務法による解説予報業務認可(許可第5号)
日本気象協会は1955年5月に、気象業務法による解説予報業務認可、現在でいう「予報業務許可事業者」の許可を気象庁から受けました。許可された「第5号」は今も変わることのない日本気象協会の許認可番号で、現存する予報業務許可事業者としては2番目に古い許可番号です。
気象庁ホームページ 予報業務の許可事業者一覧(気象・波浪)
1955年 177業務開始
1955年7月に仙台と札幌で、同年9月には東京と関西で「177サービス」を開始しました。177は、天気予報が電話で聞けるサービスです。社史によると、177は仙台から始まったとのことで、その3年後の1958年に全国での実施体制が決まった、という記載がありました。177サービスは各地ごとに始まり、全国に展開していったという歴史があることが分かります。
177についてもっと詳しく知りたい方はこちら
1963年 夏山に関する気象サービスを開始
1963年の7月に、東京や名古屋で夏山に関する気象情報の提供がスタートしました。翌1964年に、夏山に関する情報提供は全国に拡大します。山の天気は急変しやすく、気象情報が重要であることは今も昔も変わりありません。現在の日本気象協会では有料の「tenki.jp 登山天気」アプリで季節を問わず山の気象情報を提供しています。
1964年 河川・ダム関連の気象・水文調査を開始
1964年12月に「河川・ダム関連の気象・水文調査を開始」。これは現在の社会・防災事業部が手掛けている気象リスクマネジメント事業に通ずるものです。日本の気象業務の歴史は、「防災・減災」への備えの歴史でもあります。近年は線状降水帯による集中豪雨など、気象災害のリスクが高まっていますが、防災分野においても日本気象協会は長い歴史を持ち、重要な役割を果たしていることが分かります。
1969年 大気汚染観測用ライダー開発
高度経済成長期、日本では大気汚染などの公害が深刻な社会問題となっていました。気象観測や環境影響評価の経験を有していた日本気象協会は、1969年に大気汚染の観測用ライダー(電波の代わりにレーザーの光を用いて観測するレーダ)を開発。大気の様子を可視化する観測やシミュレーションの技術は、現在の環境・エネルギー事業部でのエネルギーマネジメントや環境アセスメントに引き継がれています。
1977年 日本初のオンラインでの気象情報提供を開始
日本気象協会の気象情報提供システム「MICOS(読み方:マイコス、Meteorological Information Comprehensive On-line Serviceの略)」の前身となる、オンラインでの気象情報提供サービスが1977年に始まりました。1974年にシステム開発のための調査を開始、関係各所の協力を得ながら開発が進められました。そして1977年12月、航空気象での利用を目的に国内初のオンライン気象情報の提供を開始しました。
IT環境が整う以前の時代から、日本気象協会はIT技術を駆使し、気象ビッグデータを扱うシステム開発を行ってきたことを伺い知ることができます。MICOSブランドは現在も引き継がれていて、「MICOS」は2023年度に最新の第8世代に切り替えを行っています。また現在は「MICOS API」という名前でウェブAPIサービスも提供しています。
この他にもご紹介しきれない74年分の歴史がたくさんあり、そのひとつひとつが現在の日本気象協会を作っています。今回、社史を振り返っていて感じたのは「不易流行」。気象は常に人々の暮らしと共にあり、そのなかには変わらぬことと、時代と共に変化し続けていることがある、ということです。今回注目した出来事は現在も何かしらの形で続いているものが多いですが、もちろん時代の変化とともに、役目を終えていった事業やサービスも数多く存在しています。今となっては想像もつかないニッチなサービスや実験的な取り組み、財団法人ならではの事業など…先人たちの多くのチャレンジから、今の日本気象協会の姿がある、ということを改めて知ることができました。
日本気象協会の沿革
他にどんな歴史があるのかもっと知りたい!という日本気象協会のメンバーは、ぜひ社内ポータルサイトから「JWA社史」を検索してみてください(カスタムアプリ>広報室で公開しています)。オフィスの書庫(「図書室」などと呼ばれている場合も…)にも、日本気象協会のこれまでを記した資料が保管されていますので、機会があればぜひ覗いてみることをおすすめします。気になった歴史については周囲のベテランメンバーに聞いてみると、思わぬ歴史的エピソードを知ることができるかもしれません!
「気象データ活用企業」として歩みつづけていく74年目の日本気象協会を、これからも応援していただけたらうれしいです。日本気象協会 公式note「Harmonability style」では、今後も気象と向き合うプロフェッショナルのエピソードや、季節に関する話題をお届けしていきます。どうぞお楽しみに!